角田裕毅のF1デビューシーズンのノルマを考察してみた
こんにちは。ようやく、よーやくアルファタウリ・ホンダから角田裕毅のF1昇格が正式発表されました。カーナンバーは22を希望したとのこと。
ホントに久しぶりですね!なにかと気持ちが沈みがちな昨今ですが、前向きになれる明るいニュースです。率直に嬉しい。
すこし語弊があるかもしれないけれど、私は「日本人だから」という理由だけで、「思考停止で日本人ドライバーを応援するスタイル」は苦手。(もちろんそれを否定はしないけど)
これまでも佐藤琢磨や小林可夢偉には「夢」をみさせてもらった一方、そうではない日本人ドライバーもいました。残念ながら。(誰とは言わないけど、特にあの人w)
弱冠20歳の角田裕毅は間違いなく前者であると信じてるし、この先輩達の功績を超えてほしい。夢をみさせてもらいたいです。
技術的な根拠を示すことは素人の私には無理ですが、F2初年度でみせた学習能力の高さ(とくにタイヤマネージメント)はF1でも再現できると信じているし、楽しみです。
結論を先に書くと、過去のデータからみてF1初年度となる2021年シーズンに角田裕毅が達成すべきノルマは5回以上の入賞となります。
理由としては、過去のレッドブル育成出身者を初年度戦績で分類したときに、明確な基準が存在したからです。
それでは順を追って確認していきましょう。
目次
レッドブル育成出身の戦績
レッドブル育成出身のトロロッソ(アルファタウリの前身)1年目での戦績を並べてみます。
ベッテル以前はごちゃごちゃしてるので割愛w
セバスチャン・ベッテル(2008年※ )
- ランキング:8位
- 最高位:1位
- 入賞:9回
- のちの実績:レッドブル昇格、WC 4回
セバスチャン・ブエミ(2009年)
- ランキング:17位
- 最高位:7位
- 入賞:4回
- のちの実績:シート喪失→リザーブドライバー
ハイメ・アルグエルスアリ(2010年※)
- ランキング:19位
- 最高位:9位
- 入賞:3回
- のちの実績:シート喪失
ダニエル・リカルド(2012年)
- ランキング:18位
- 最高位:9位
- 入賞:6回
- のちの実績:レッドブル昇格、優勝 7回
ジャン=エリック・ベルニュ(2012年)
- ランキング:17位
- 最高位:8位
- 入賞:4回
- のちの実績:シート喪失
ダニール・クビアト(2014年)
- ランキング:15位
- 最高位:9位
- 入賞:5回
- のちの実績:レッドブル昇格→降格、表彰台 2回
マックス・フェルスタッペン(2015年)
- ランキング:12位
- 最高位:4位
- 入賞:10回
- のちの実績:レッドブル昇格、優勝 10回
カルロス・サインツJr.(2015年)
- ランキング:15位
- 最高位:7位
- 入賞:7回
- のちの実績:フェラーリ移籍、表彰台 2回
ピエール・ガスリー(2018年※)
- ランキング:15位
- 最高位:4位
- 入賞:5回
- のちの実績:レッドブル昇格→降格、優勝 1回
ブレンドン・ハートレイ(2018年※)
- ランキング:19位
- 最高位:9位
- 入賞:3回
- のちの実績:シート喪失
※フル参戦初年度
こうしてみると、その時の戦況に関わらず、年間の入賞回数が5回未満のドライバーはシートを失っていることがわかります。
さらに5回のクビアトとガスリーも、レッドブル昇格したあと降格の憂き目にあうなど、レッドブルの厳しさを物語るデータとなっています。
よって、角田裕毅が今後F1で活躍できるのか、言い換えれば将来レッドブルに昇格できるのかは、フル参戦初年度、つまり2021年シーズンで5回以上の入賞が出来るか?否か?によって判断できる、といってもいいのではないでしょうか。
日本人F1ドライバーの戦績
では過去のフルタイム日本人F1ドライバーの初年度の戦績はどうだったのか?こちらもそれぞれ確認してみましょう。
中嶋悟(1987年)
- ロータス・ホンダ
- ランキング:12位
- 最高位:4位
- 入賞:4回
- のちの戦績:FL 1回(日本人初)
鈴木亜久里(1989年)
片山右京(1992年)
- ヴェンチュリー・ランボルギーニ
- ランキング:ランキング外
- 最高位:9位
- 入賞:なし
- のちの戦績:最高位 5位(2回)
井上隆智穂(1995年)
- フットワーク・ハート
- ランキング:ランキング外
- 最高位:8位
- 入賞:なし
- のちの戦績:マーシャル車にヒット
中野信治(1997年)
- プロスト・無限ホンダ
- ランキング:18位
- 最高位:6位
- 入賞:2回
- のちの戦績:冷遇され移籍
高木虎之介(1998年)
- ティレル・フォード
- ランキング:ランキング外
- 最高位:9位
- 入賞:なし
- のちの戦績:とくになし
佐藤琢磨(2002年※)
- ジョーダン・ホンダ
- ランキング:15位
- 最高位:5位
- 入賞:1回
- のちの戦績:表彰台 1回
中嶋一貴(2008年※)
- ウィリアムズ・トヨタ
- ランキング:15位
- 最高位:6位
- 入賞:5回
- のちの戦績:シート喪失
小林可夢偉(2010年※)
※フル参戦初年度
今とはポイントシステムが大きく異なるし、それぞれ時代背景があるので一概に比較するのは難しいですが、現行ポイントシステムとなった2010年の小林可夢偉をベンチマークにすることができそうです。
何をもって「F1で活躍」とするのか、その定義は様々でしょうが、個人的には過去の日本人F1ドライバーを上回る戦績を期待したい。具体的にはポールポジション、優勝です。
そのためには、来年は小林可夢偉の初年度戦績(最高位6位、入賞回数8回)を上回り、レッドブル昇格への足がかりとなる戦績が必須だとみています。
これって無理だろうか?いや、できる。
F1速報 2020年 12/28号 第17戦 アブダビ GP
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まとめ
ここまで角田裕毅の初年度戦績に求められるノルマにフォーカスして書いてきました。
過去のレッドブル育成出身者のフルタイム初年度をみる限り、入賞5回が優劣判断のボーダーラインとなりそうですね。
2021年シーズンは、今年のマシンAT01の大半を引き継いだもの(AT01B?)で戦うことになるので、ガスリーとクビアトの今季戦績からみても、けして不可能なものではありません。(フェラーリ復調が心配だけど)
F2でも中盤戦以降に高い順応性をみせた角田裕毅なだけに、入賞5回といわず、それ以上の結果を期待したいところです。
チームメイトにはアルファタウリに戻って「覚醒」したガスリーがいるので、こちらとの比較も楽しみです。
ガスリー同様、角田裕毅もF2で素晴らしいタイヤマネージメントをみせただけに、アルファタウリ・ホンダが柔軟な戦略を武器に、中団争いをかき回す未来が…私にはみえるのです。